看護第1科
健康を願う人々、病を持つ人々に期待され、信頼される看護師とはどんな看護師でしょうか?
そんな看護師に育っていくために看護を学んでいくのでしょう。
本校では、基礎的な看護の知識の習得を重視すると同時に臨床との連携、地域で生活する方々の実際の姿と結びつけた学びを進めます。
学生自らが『学ぶ主体者』であることを大切にし、看護の学びをとおして、看護師にふさわしい人間的成長を期待しています。
1科教育計画の概要
1年次
1年次は事実からの学びを大事に、看護を学ぶための基礎的な知識・技術の修得を目指します。
- 4月
交流合宿:これから3年間共に学ぶ仲間を知ることを目標に全員が役割を持ち、準備をします。何故看護師を目指すのか?を交流して、夜な夜な語り合うことも…。
- 5月
車椅子ウォッチング:小グループに分かれて車椅子乗車体験をしながら公共交通機関を使って外出します。人の多い駅の利用やバスの乗車体験、市役所や文化会館など公共施設の利用、コンビニでの買い物、ファミレスでの食事などをとおして本当の意味でのノーマライゼーションとは何かを考えます。
- 7月
基礎
I 実習:学生がペアで患者さんを受け持ち、既習の看護技術の実践をとおし、患者さんとは?やその患者さんにとっての看護技術とは?を学びます。
〜基礎 I 実習の学び〜 学生レポートより(13期生)
受け持ったAさんは、私達にいろんな話を聞かせてくれた。私達がAさんから学んだことは、『患者さん一人ひとりに歴史があるのだ』ということだ。当たり前のことだが病気のことだけを見ていると忘れがちになってしまう。生まれも育った環境も違うということは、考え方や価値観も違うのだ。そのことも踏まえて患者さんと関わることが、患者さんの意志の尊重にもなり、声にならない願いや要求を聴くことになるのではないかと思った。- 10月
- 基礎 II 実習:学内で学習した学びを基礎に、さらに患者さんにとっての看護を探求していきます。
- 12月
キャッピングセレモニー:基礎II実習までの学びを踏まえ、クラス全員で看護師になる決意を新たにする場とします。
- 1月
- 基礎 III 実習:初めて1人で患者さんを受け持ち、3週間実習をします。
2年次
2年次は生命活動の学びを土台に、各専門領域の実習をとおして生命活動の障害としての病態を、患者の訴え・症状・苦痛・制限などの観察をとおして捉えます。
- 4〜5月
生命活動:人間の身体の仕組みと働きを総合的に理解し、人体が獲得した健康に生きる力を学びます。
〜生命活動の学び〜 学生レポートより抜粋(12期生)
グループワークではわからないときは、すぐにここがわからないと言え、自分の意見もいえるようになり、個人が成長できた場となった。どんな時でも人の意見に耳を傾け、考え、メンバーそれぞれが尊重できるグループだった。
1つの系を調べていくと、自分たちの身体の中で細胞や神経、ホルモンなどがこんなにも複雑に絡み合っていることがわかった。そして生命を支え、外部環境から身を守るために恒常性が働いていた。不思議なことだが、実際私たちはそうして生きているし、そうして厳しい外部環境に適応しながら進化してきたのだ。人間が生きていく上には、人間誕生、骨・筋、脳神経、呼吸器、循環器、消化器、免疫、内分泌の8つの系がうまく関わり合いながら、つながっていた。- 6〜7月
- 成人 I 実習:生命活動の学びを踏まえ、人間の身体の恒常性維持機構のどこが障害されることによって病気が起こっているのかを学び、患者さんの看護計画を立案します。
- 9〜12月
- 領域別実習:精神看護学・小児看護学・母性看護学・外科看護学(成人看護学:急性期)の専門領域の実習を3週間4クール実習し、学びます。
- 1〜2月
地域フィールド:『企業』『町工場』「農業」『大気汚染公害』『基地問題』など希望するテーマで、3日間、地域の方々に密着して体験実習を行ないます。実践の整理をする中で問題意識を持ったことを調べ、学びを深めていきます。
〜地域フィールドの学び〜 『農業グループ』のレポートより抜粋(11期生)
農作業を体験して、実際の農業の大変さを知った。その農業の歴史を学んでいく中で、農業は政治と密接なつながりがあることを知った。私達の暮らしに必要なお米。主食であるその米を守ることは文化を守ることでもある。その他の農作物も私達の生活に欠くことができないものである。安全に、楽しく、そして平和に食文化を営めるように私達は農業を始めとし、暮らし全般に気を配り、何がよいのかを見極める眼と知性を磨いていく精神を学んだ。
3年次
3年次は地域フィールドの学びを土台に、患者の事実を広く社会的視野で捉え、患者の訴えを総合的につかむ観察力と患者の願いを実現する実践力をさらに発展させます。
- 4〜5月
老年看護学実習・在宅看護論実習:
前半3週間、引継ぎをして後半3週間の6週間の長いスパンで患者さんを受け持ち、入院している高齢者や障害を持ちながらも自宅で療養生活を送っている方々の現状を踏まえ、医療保険や介護保険制度のしくみ、医療・介護・福祉の実態を学びます。
〜在宅看護論実習の学び〜 学生レポートより抜粋(11期生)
1999年ロックドイン症候群を発症し、介護度5であるO氏を受け持った。全身を自由に動かすことが難しいO氏であるが「映画館に行きたい」という願いや床上での家族の夕食作りを実践することができた。O氏は住み慣れた家で自分のペースで生活したいと望んでいる。しかしそのためには、多くのお金とマンパワーが必要になると感じた。
医療や介護制度についても学んだ。そもそも社会保障とは国が責任を持って実施する制度であり、私達の税金で賄われている。けれど税金は私達が知らないところで公共事業や軍事費に多く使われている。医療費の自己負担が増え、年金での生活ではきびしいのに後期高齢者医療保険制度の導入で、さらに負担が増えることになる。これでは保障されているとはいえない。これからの私たちにも大きく関わってくることであり、看護師を目指すものとしてきちんと考えていかなければならない。- 7月
- 成人 III 実習:内科・外科の患者さんを受け持ち、チームの一員として看護展開し、学びます。
- 10月
研修旅行:『日本国憲法と平和と医療』というテーマで、自分達の学びたいことを基に行き先を決め、事前学習し、4泊5日の研修旅行に行きます。
〜研修旅行の学び〜 サイパン・テニアンでの学び(10期生)
事前学習・研修旅行では日本の過去におこった加害・被害の悲惨な事実を知った。サイパンには、戦争の傷跡が手付かずの状態で生々しく残っており、激戦地となった事実がストレートに突きつけられ胸がはち切れそうな気持ちになった。2日目に訪れたテニアンの小川砲台では、言葉では説明できないような現象が起こった。でもそれは、その地に起こった悲惨な事実を考えればそういうことが起きてもおかしくないと感じた。また、そのことによって、その地で亡くなったたくさんの無念の想いをきちんと伝えなければならないと身が引き締まった。
今、憲法9条改定が取りざたされているが、この9条があるからこそ私達は守られている。日本だけではなく、世界の9条となってほしい。だからこそ守っていくためには、行動に移さなければいけないと思う。平和でなければ、自分達の目指す看護・医療が出来ないと学んだ。- 10〜11月
- 総合実習(成人W実習):最後の実習で何を学びたいのか?学生の希望を元に実習先を決め3週間の実習をし、3年間の学びの集大成として終了後卒業論文を作成し、看護観・医療観・人間観を発展させていきます。