東葛病院 地域に根ざしてともに歩む
 

東葛の健康

No.330 2012年1月号

新春座談会

新しい時代の新しい東葛病院をめざして

 開院から30年、老朽化した東葛病院を襲った東日本大震災。病院が被災し、一挙に進み始めた病院建て替え問題。そして昨年、医療構想委員会が発足し、新病院建設に向け動きはじめました。全職員、地域の方として東葛健康友の会のみなさんと議論を重ねてきました。新年を迎えるにあたり、新病院建設にあたって夢と決意を縦横に語っていただきます。司会は大野義一朗副院長(本紙編集長)が務めます。

写真
「あたらしい東葛病院をつくる」について語り合うみなさん
出 席 者
東葛病院院長 下  正宗
東葛健康友の会
会長
渡部 隆夫
医師外科科長 濱砂 一光
医師小児科医長 熊谷 勇治
手術室看護師長 藤木 智恵
研修医 君山 愛佳
司会・副院長 大野義一朗
(「東葛の健康」編集長)

新年の抱負

下 正宗 院長
下 正宗 院長

司会 あけましておめでとうございます。
 昨年は3月の東日本大震災で大変な思いをした年でした。東葛病院自体も被災しながら、13チーム29人を支援に出しました。現地の復興はまだまだこれからですが、その応援をしながら、今年は東葛病院の建て替えが大きなテーマの年です。新病院をつくるにあたって、夢と決意を語っていただきたいと思います。
 では自己紹介をかねて、今年の抱負をひとことずつお願いします。
君山 去年は研修医1年目で、無我夢中で駆け抜けてきた1年でした。今年は後輩も入ってきますので、昨年より余裕をもって研修をしていきたい。患者さんとしっかり向き合っていける1年にしたいと思います。

渡部隆夫 会長
渡部隆夫
会長

渡部 健康友の会の宣伝カーを会員カンパで購入し、大いに回しましたし、歌までできました。
 昨年、目標を突破し、会員は現在6500人、今年は7000人を超える友の会にしていきたい。
藤木 去年は災害時の医療を考えさせられた年でした。看護部でも支援に出しました。今年は看護ゼミなどを通して、看護師一人ひとりの力をアップしていきたいです。

司会 続いて、医療構想委員会委員長の濱砂先生、お願いします。
濱砂 昨年の6月に医療構想委員会を発足させ、医療構想をつくりあげるためにかなりの時間を費やしてきました。今年はそれをさらに深めていきたい。
熊谷 私も委員会に参加し、医療構想をじっくり練ってきました。今年は一歩踏み出す年になると思います。
 医療構想委員会が頑張ってくれ、医療構想がだんだん形になってきました。
 今年は引き続き医師の獲得、専門医研修などマンパワーの充実をはかっていきたいと思います。

進みだした新病院計画

司会 東葛病院の建て替えが議論されていますが、どのような計画なのでしょうか。
 東葛病院が開院したのは1982年で、30年がたちました。設備も古くなり、建物も老朽化していたところに東日本大震災が起き、病院自体も被災し、建て替えの方向へ一挙に進みました。
 新病院は、早ければ2015年に完成の予定です。地域の災害時の拠点病院になれるようにしたいと考えています。
濱砂 医療構想委員会の特徴は、委員が中堅以下の職員で構成されていることです。「これからを担う人材でこれからを考えていく」という視点からです。

司会 委員会がめざしていることは?
濱砂 「すべては患者さんのために」「地域に責任をもった医療」という視点で、すべての職員、共同組織、地域の方の力で考えていくということです。
 全職員集会を1回、項目別の会議を11回開いており、そこには誰でも参加できます。友の会からもご参加いただいています。参加者はすでに300人を超えていて、たくさんの意見が出ています。
 一人ひとりの思いを汲み上げていくことが大事だと考えています。

地域を守る総合力と専門性

司会 では、今後も続けていきたい東葛病院のよさと、新しく取り組もうとしている夢(ビジョン)をお聞かせください。

人づくり地域づくりが建設の鍵

地域の声を生かして新病院建設

医師 濱砂 一光
医 師
濱砂 一光

濱砂 病院全体の医療構想としては、東葛病院は急性期から慢性期まで総合的に関わるケアミックス型病院として活動してきました。「地域に責任を持った医療」を提供したいという声が多いため、この形態を維持、発展させたいと考えています。その中で、特に重要と考える11項目のまとめを作りました(図参照)。

図司会 救急医療、小児医療についてはどうでしょうか?
熊谷 救急では「断らない救急」を実践してきて、救急応需率は9割を超えています。これを100%にしていきたい。一方、数だけでなく、その後のフォローアップや生活の背景にも切り込んでいきたい。また、今話題になっている脳卒中の急性期治療や急性心筋梗塞に対する治療の拡充にも取り組みたいと思います。小児科については、流山地域の需要は急増していて、引き続き小児科の中核病院としての役割を担っていきたい。
 それから、他の医療機関や行政と協力して、プライマリケアを地域で完結することをめざしたい。また、専門外来のニーズが高まっていますので、小児神経の専門医をとるなど、専門性を発揮したいと考えています。

 

手術室看護師長 藤木 智恵
手術室
看護師長
藤木 智恵

司会 なんといっても病院のカギは内科です。
 「家庭医」という専門医研修が始まり、内科学会も病院で働く内科専門医を充実させる動きですので、東葛病院も引き続いてプライマリケアを充実させたい。それから、臓器別の専門医を充実させて、「東葛病院はこれが強い」と言われるような病院にしたいですね。

司会 多岐にわる医療構想があるわけですが、そういう医療を支えるにはチームが必要で、とりわけ看護師さんたちの力が大事です。
藤木 働いているのが手術室なので、緊急手術に素早く安全に対応できる技術と力を養っていきたいです。
 それから、東葛病院には現在、認定看護師がいます。この看護師を中心に、安全で正確な技術を提供していけるようにしたいと思います。

友の会会員1万人めざして

医師 熊谷 勇治
医 師
熊谷 勇治

司会 東葛病院は開院1年で倒産状態に陥り、地域の方たちに心配と苦労をおかけしました。にもかかわらず、強い支援と温かい励ましでここまで来ることができました。新病院を作る上で地域の方たちの声はとても大事です。渡部さん、辛口のご意見を(笑)。
渡部 東葛病院はとても評判がいいんです。親切だし、チーム医療が徹底しています。そういう伝統はぜひ引き継いでもらいたいですね。
 お願いしたいのは、患者が気軽に集まれる集会所、その軸になる友の会の事務所を作ってほしいことです。それから、ゆくゆくは会員1万人をめざしたいと思っていますので、職員の協力をぜひお願いします。

司会 流山市の人口が16万人ですから、会員1万人になったらすごいですよね。
 ある地域では共同組織の方が10%近くになっています。そうなると、地域を変えることができます。
 東葛病院は在宅医療にも積極的に取り組んでいますが、入所施設はほとんど持っていません。友の会と協力して、地域の方々の声に応えられる医療・介護活動をやっていきたいですね。

人を育てて技術をつくる

医師 君山  愛佳
医 師
君山  愛佳

司会 新病院建設は壮大な計画です。実現するためのカギは?
 やはり資金と人材ですね。資金面では友の会のご協力がカギになります。よろしくお願いします。
熊谷 人材については、外から獲得することも大事ですが、内部のレベルアップが先決かなと。各分野で専門性を追求していく必要があります。
君山 研修については、指導医はもちろん、上の理事長にいたるまですべての先生に指導していただいていて、働きやすいし、研修しやすい環境だと思います。研修は自慢できますが、なんで人が来ないのかなと(笑)。もうちょっとうまく宣伝できたらいいのにと思います。
藤木 看護師は若い看護師が多いので、子育てをしながら働ける、働きやすい環境づくりが大事だと思います。

司会 患者の立場から、かかりやすい病院とは?
渡部 一番は技術への信頼ですね。それから、医療費が安いことです。差額ベッド料をとらないことはとてもありがたいので、これは継続していただきたい。
 また、無料低額診療事業もやってくれています。友の会では健康相談会を開いていますが、医師や看護師の力を借りて、もっと内容を深めていきたい。

夢を現実に変えていく若い力

司会 大野義一朗 副院長
司 会
大野義一朗
副院長

司会 新しい病院をつくっていくことは新しい時代をつくっていくことだと思います。私が代々木病院から東葛病院に来たのは1992年、まだ再建の途中で、病棟は2つだけ、夜になると真っ暗でした。ここで医療ができるんだろうかと不安がありましたが、みんなで夢を語り合いました。20年たって、当時は夢だったことが実現しています。
濱砂 私が入職したのは1993年、東葛病院と旧東京勤医会との合同の年でした。「できあがった病院とこれから作る病院とどっちがいい」と言われ、「おれが作ってやる!」と、生意気な動機で(笑)入職しました。
君山 そういう歴史は知らずに入職してきたわけですが(笑)、入ってみたら医療構想委員会とかがあり、私は産婦人科の医療構想委員会に参加したんですが、本当に自分たちで話し合って決めていくんだなと驚きました。自分の興味ある分野に参加していろいろ提案していけると思うと、ワクワクします。

司会 ワクワク、いいですね。20年前は、今の東葛病院を想像できませんでしたが、20年でこれだけのことがやれるんだということです。現状はさまざまな問題がありますが、ちょっと背伸びして、夢のある現実の議論をしたいと思います。
熊谷 新病院の医療構想に関われるのはすごいラッキーです。私は7年目ですが、こんな若手の医者が医療構想に参加できる病院というのは、すごいなと。委員になってみて、大変でめげそうになりつつも、でも、いい医療を提供したいという情熱をもってやることが大事だなと思ってます。
藤木 新病院に関われることは本当に嬉しいです。これを機に友の会の会員拡大も頑張っていきたい。
 病院のトップとしては、若い人たちが作った医療構想を実現させるために頑張っていきたいと思います。

司会 新しい病院をつくり上げるには多くの課題がありますが、それらが着実に前に進んでいく年になりそうです。
 ありがとうございました。



第8回こども冬まつり

子どもたちは元気いっぱい

 子どもたちの健やかな成長を願い、恒例となった「こども冬まつり」が12月10日に東葛看護専門学校4階体育館で開催されました。

キャンドルサービスを行うこどもたち
キャンドルサービスを行うこどもたち

 毎年、多くの方に参加していただき、今年度はお子様だけで134人の参加がありました。外は大変寒い日でしたが、会場は熱気で汗がにじむほどでした。
 本間理実行委員長のあいさつで開会。東葛病院付属診療所外来による「ボール渡しゲーム」、東葛病院3階病棟による「マルモリダンス」では、子どもたちも一緒に楽しくゲームやダンスに参加していました。
 保育室のプログラムはペープサートの「おおきなかぶ」。子どもたちは真剣な表情で見入っていました。小児科医師による「3匹のこぶた」では風船を使って子どもたちに参加してもらい、子どもたちのテンションも最高潮に!最後は救急外来による「キャンドルサービス」。希望するお子様に参加してもらいました。

マルモリダンスを踊る3階病棟職員とこどもたち
マルモリダンスを踊る3階病棟職員とこどもたち

 参加した女の子は「お姫さまになったの。とっても綺麗だったよ」と、とても喜んでいました。
 最後に写真入りカードと風船をプレゼント。子どもたちの歓声が終始響き、あっという間の2時間でした。



東葛看護専門学校ナーシングセレモニー

クラス全員で看護師への決意を確認

キャンドルの灯火をつなげながら一人ひとりが決意表明
キャンドルの灯火をつなげながら一人ひとりが決意表明

 東葛看護専門学校(竹内信治郎校長)では2011年11月26日に1科1年生を対象とする記念式が行われました。
 学生は、「共に学び、共に救い合い、共に聴き合えるクラスという意味の『共聴学級』をクラス目標に掲げ、このスタート地点に立ちました」と述べ、クラス全員で協力し助け合いながら成長することを決意表明しました。
 竹内校長の「贈る言葉」に続き、東京勤労者医療会理事会を代表して下正宗東葛病院院長(勤医会副理事長)があいさつ。
 下院長は「皆さんの決意に感動しました。病める方にはサポートが必要です。患者さんとともに歩む良い看護師になってください」と結びました。
組織部 星野幸治



辰さんからの年賀状

 子どもたちの未来を、平和と希望あふれる世の中に! 今年も松戸市在住の ゆいまーる風子(ふうこ)(ペンネーム)さんからイラストを寄せていただきました。

イラスト



東葛病院・付属診療所の医療活動




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