東葛病院 地域に根ざしてともに歩む
 
東葛の健康

No.260 2006年3月号

細心の注意で安全な内視鏡検査
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胃内視鏡撮影を行う日向眞医師(右側)

東葛病院の医療 消化器科

進歩する消化器疾患の治療

 消化器科を訪れる患者様の訴えは、「腹痛」「胸やけ」「食欲不振」「お腹が張る」などさまざまです。消化器には、口から始まって、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門という消化管と、肝臓、胆道、膵臓などの臓器があります。それぞれがお互いに影響を与えており、切り離して考えることは困難です。したがって問診と診察のあと、その病態に必要な検査を実施します。検査結果を総合的に判断して、診断、治療方針を相談します。
 以下、当院の消化器科の特徴についてご紹介します。

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誤ってシートごと飲み込み、のどにつまった薬=内視鏡で撮影

安全な内視鏡検査の追求

 当院では、年間、上部消化管内視鏡(胃カメラ)を約4000件、下部消化管内視鏡検査(大腸ファイバー)を1000件行っています。
 検査にあたり、消化器内視鏡学会のガイドラインで認定する消毒薬を使用して、使用毎に一本一本洗浄消毒を行っています。
 また、処置で使用する生検鉗子などは、基本的にディスポーザブルのものを使用しており、検査を介してヘリコバクターピロリやB型、C型肝炎がうつらないように安全な内視鏡検査に努めています。また、薬などの問題がないか、看護師が事前の聞き取りを十分に行います。

早期胃癌の内視鏡治療

 当院でも早期胃癌や胃ポリープの内視鏡的粘膜切除術を行っています。胃癌やポリープの周辺に切開を加え、粘膜ごと剥ぎ取るという治療法で、年間20例以上の粘膜切除術を行っています。
 完全に切除できるものは、それで治療終了ですが、腫瘍の浸達度が深いときには追加の外科治療が必要になる場合もあります。

夜中でも緊急に内視鏡検査を

 血を吐いたり、黒い便が出て救急車で病院に来られる患者様もいます。胃潰瘍や食道静脈瘤で出血していることがあります。夜中でも緊急に内視鏡を行います。治療に一時間以上かかることも、しばしばおこります。

大腸の内視鏡検査

 大腸内視鏡検査でみつかった早期大腸癌やポリープも、その場で内視鏡治療を行っています。
 大腸内視鏡検査はつらいものという印象がありますが、個人差によります。必要に応じて鎮静剤を使用しますので、不安な方は申し出て下さい。ただし、眠気を併発しますからご希望の方は、車での来院はお控えください。
 治療機械や器具の改良が進んでおり、当院では5年以上大腸内視鏡検査での大腸穿孔は発生しておりません。
 これは粘膜切除術の技術向上や、治療後のクリップ縫合など、さまざまな工夫も積み重ねてきたことによります。何よりも無理な挿入をしないように、細心の注意をはらっています。
 便潜血陽性の方や便秘や腹痛のある方は是非大腸の検査を受けましょう。

トータルの肝臓ケア

 また、C型肝炎、B型肝炎をはじめとする肝臓病に対する診断、治療を一貫して行っています。
肝臓疾患は、症状がないことが多いために、検査を行わないとわからないことがあります。
 日常的に肝臓疾患のチェックを行い、肝硬変への進展を予防し、癌を早期に診断し、適切な治療を行うことが大切です。
 C型肝炎の患者様に適切な治療を行うことは、肝硬変、肝臓癌にならないためにも重要です。近年、リバビリン併用ペグインターフェロン療法が治療の中心となっています。
 個々の患者様ごとにこの治療が適応かどうか、検討すべきであると考えています。



「医療改悪許すな」2・9国民集会
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14000人の熱気に包まれた会場=2月9日、さいたまスーパーアリーナ

 2月9日、さいたまスーパーアリーナで、「医療改悪・大増税許すな国民集会」が開かれ、全国各地から1万4000人が集まりました。会場は小泉内閣の「構造改革」による国民いじめをはね返そうと、怒りと熱気にあふれました。

 政府は高齢者の医療費窓口負担を2割、3割に引き上げようとしています(現行1割、一定所得以上2割)。さらに、70歳以上の長期入院患者の食費や居住費負担を増やす(1カ月約2万8000円増)。75歳以上の全高齢者を対象にした新たな高齢者医療制度をつくり、保険料を徴収するなど、今国会での成立を図っています。税金も、昨年の定率減税廃止強行につづき、消費税を大幅に引き上げようとしています。
 集会では主催者あいさつに立った全国保険医団体連合会の住江憲勇会長が「圧倒的多数の国民が大同団結して、医療大改悪、庶民大増税、憲法改悪の動きを打ち破ろう」と訴えました。(「健康のきずな」に関連記事)



禁煙のすすめ

流山市薬剤師会と東葛病院で合同研修会開く

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2月2日、東葛病院で開かれた禁煙合同研修会

 みなさまは、タバコを吸われますか? ご家族はいかがですか? 2月2日(木)の19時より、流山市薬剤師会と東葛病院共催の合同研修会が開催されました。

 薬剤師会の会員をあわせ16名が参加し、呼吸器内科の星野啓一医師より「薬剤師さんが主役の禁煙援助」について講演をいただきました。外来診療での禁煙援助の実際やノウハウを医師から学ぶ絶好の機会となりました。
 「依存症の成立」、「軽いタバコなら大丈夫か?」、「脳内にニコチンレセプターができる仕組み」、「禁煙外来でのやりとり」、「ニコチンガムとニコチンパッチ(貼り薬)のちがい」などがイラストや写真でわかりやすく説明されました。
 禁煙をしたい患者様のタバコをやめられるまでの心の変化や生活ぶり、喫煙は病気か?といったテーマまで議論は尽きませんでした
 専門医と薬剤師が、病態と薬物療法の基礎を学び、かつ患者様の応対にもいかせる貴重な研修会。今後も合同研修会を定期的に開催し、地域薬剤師会とともに学び交流し、地域の健康づくりに貢献していきたいものです(薬剤師以外の医療スタッフもぜひご参加ください!)。
 また、禁煙をしたいと思っている患者様は、どうぞ付属診療所の「禁煙外来」を受診し、禁煙ライフの一歩をふみだしてください。スタッフ一同、応援いたします。

▼禁煙外来
・毎月第2土曜日(祝日 の場合は翌週の土)
・予約制です
・薬代の目安:2万2千 円(約8週間分)
※4月から保険適用との報道がありますが、薬は適用外です



在宅介護の応援歌

訪問先での話を聞き漏らすことなく

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リハビリ室で機能訓練を行う秋元さん

 Sさんは脳挫傷の後遺症で、車椅子をたよりに過ごしています。Sさんが在宅での療養生活になってから約1年たちますが、これまではリハビリ中心の生活で、ご主人と生活していくだけでいっぱいいっぱいでした。
 Sさんは少しでも歩くことをとても楽しみにされているため、理学療法士がお宅を訪問して、歩行訓練中心のリハビリを行っています。訓練中の会話から受傷する前のSさんは、習字や読書が趣味の専業主婦であったこと。しかし受傷されてからはそれまでの趣味をあきらめていたことなどを伺いました。在宅での生活にも少しずつ慣れてきて、「久しぶりに昔読んだ本を読み返してみよう」と、ゆっくりとしたペースで読み始められました。今ではベッドの上にたくさんの本が積まれ次々に読まれている様子。また習字も以前通っていた教室へ、ヘルパーさんと一緒に通われるようになりました。そんな中、習字の時に左手が重くて体が傾いてしまい疲れると相談されました。クッションや滑り止めマットで姿勢を工夫したところ、姿勢が崩れなくなったと喜んでいただきました。
 今後もいろいろな話をして身体や生活動作などの相談にのれるように、Sさんの言葉を逃さずに聞いていきたいと思います。今後は家の中をSさんが自由に動けるように…と改装の予定もあり、さらにSさんの生活の幅が広がりそうです。
 これからも訪問リハビリでは機能訓練だけでなく、Sさんらしい生活が送れるようにいろいろ手助けをしていけたら…と思います。
訪問リハビリ専任・理学療法士 秋元志麻子



写真クスリ あ・れ・こ・れ

何だかよく眠れない方々へ

睡眠薬を飲む前に試してみてください

薬剤師 勇 剛直

 寝付けない、熟睡感が得られないという方へ。医師に相談して睡眠薬を試してみるのも一つの手ですが、その前に以下の事を工夫・確認・試してみてはいかがでしょう?

(1) 睡眠時間は人それぞれ。日中の眠気で困らなければ十分。8時間に拘る必要はない。
(2) 就寝4時間前からはカフェインなどの刺激物を、1時間前からは喫煙を控える。また、眠る前に自分なりのリラックス法を工夫する。
(3) 眠くなってから床につく。就寝時刻に拘り過ぎるとかえって頭が冴えてしまう。
(4) 毎日同じ時刻に起床する。早寝早起きではなく、「早起き」が早寝に通じる。また休日の寝貯めは次の日の朝がつらくなる。
(5) 起床後しっかりと陽の光を浴びる。また夜部屋が明る過ぎると自然な入眠時刻が遅れる。
(6) 規則正しい3度の食事と規則的な運動習慣で日中はしっかり起き、夜は熟睡。夜食の摂り過ぎは睡眠の質を落とすので、ごく軽めに。
(7) 昼寝をするなら午後3時までの30分間まで。長過ぎるとかえってぼんやりの元。
(8) 眠りが浅い時は、むしろ積極的に「遅寝・早起き」に。寝床で長く過ごしすぎるとかえって熟睡感は減る。
(9) 睡眠時無呼吸症候群(睡眠中の激しいイビキや呼吸停止)やむずむず脚症候群(足のピクつき・ムズムズ)には要注意。なるべく早く医師に相談を。
(10) 十分に眠っても日中の眠気が強い時はぜひ専門医に相談を。また、車の運転に注意を。
(11) 睡眠薬代わりの寝酒は不眠の元。アルコールは一時的には寝付きを良くするが、睡眠の質はかえって悪くなる。
(12) 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全。決まった時刻に服用し床につく。最近よく使われるベンゾジアゼピン系の睡眠薬は「ぼける」ことはなく、「癖になる」「効かなくなる」ということも少ない、お酒よりも安全な薬。ただし、「お酒と一緒に飲む」「家族や知人からもらって試してみる」ということは絶対にしないこと!

 以上、ぜひ一度、工夫・確認・お試しのほどを。


聴診器

白衣が新しくなりました

 新付属診療所はオープンから2カ月、まだまだ不慣れでご迷惑をおかけしております。お詫び申し上げます。皆様には一日でも早く安心して頂けますように、看護師も業務改善などに取り組んでおります。

 看護師の白衣が、5年ぶりに新しくなりました。お気づきになったでしょうか。前回の変更の時は機能性を考慮して、ナースキャップを廃止、パンタロン型白衣を導入しました。さてこのたびは…。
 看護師にとって仕事着の白衣選びは重要です。選ぶにあたって、意見収集のためアンケートを実施。あれやこれやのカタログチェック、何着試着をしたことやら。
 病院には若い看護師もたくさんいますが、ベテラン看護師も大勢。「かわいすぎる」「太って見える」「地味すぎる」「透ける」などなど、もう収拾がつかないくらい意見続出。あげく、投票ということで、どうにか決着。そのうえでさらに、業者の方に腕がしっかり上がるように改良をしていただきました。
 ちょっと「かわいすぎる」? かもしれませんが、ぜひ注目してください。新しい白衣で、気持ちも新たにがんばっております。(芳)



共同組織が共催で「アスベスト学習会・相談会」ひらく
(新松戸診療所)
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アスベスト学習会・相談会:講師の川村医師

2月15日、東葛病院医療と健康を守る会と新松戸診療所健康友の会共催の「アスベスト学習会・相談会」が、新松戸診療所5階会議室で行われました。講師は、東葛病院呼吸器外科の川村光夫副院長。

 建設現場で働く労働者、家族にとどまらずアスベスト問題への関心が「生命問題」として、社会的に急速に高まっています。
 川村副院長は、異常が認められた胸部写真や、アスベストの形状、国内外の消費量、最近の行政の動きなどを、見やすくまとめたスライドを使い説明。「その方の以前の職歴、環境を知ることがアスベスト被害を見つける大切な手掛かりとなります」と強調、参加していた診療所職員が深くうなずく一コマも。また長年喫煙した方の汚れひどい胸部写真にはなかなか、禁煙できない参加者≠ヨ一斉に視線が走るなど、会場全体がリアルな反応。
 質問は「40年前に大型車のブレーキを削る仕事をしていた。害はないか」「ご主人が亡くなり5年以上経過した方がいる。中皮腫と診断されていた。労災申請は可能か」など、切実な内容に及びました。

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熱心に聞く参加者



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