穏やかな最期をむかえられて
療養病棟での看取り
東葛病院の療養病棟は、本来ショートスティと、一般病棟からの転棟で在宅調整と転院待ちの患者様が対象となる病棟ですが、この1年で他の施設からの入院依頼や院内の転棟で、「看取り」となったケースがありました。状況はさまざまでしたが、どの方もしずかにご家族や職員に見守られて穏やかな死を迎えられました。療養病棟の役割に新たな展開が訪れた? といった感想でとまどいもありました。
療養病棟・看護師長 野口輝美
多様な介護施設が増えていく中で、医療を必要とする患者様の療養病棟での看取りも増えるのではないかと感じています。ご家族本人の希望を正面から受け止め、しっかりと要望に沿った最後のときをすごせる場でもあると想います。
私たちに何ができるかを探りつつ
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| 療養病棟の談話室にて(右の白衣が野口看護師長) |
有料老人ホームからSさんの入院を依頼されました。
Sさんは86歳で、当病院の循環器の患者様で、ペースメーカーの植え込み等で入退院されていました。Sさんは「機械に生かされるのはいやだ」「このまま自然に最期を迎えたい」と強く希望され、ご家族もSさんの意思を尊重したいと願っておられました。そして、予後1〜2週間というきびしいところで、入院の依頼となりました。
お食事は食べられず1時間ごとの飲水介助と、うがいの介助を行っておりました。ご家族は、最後までポータブルトイレへの介助を強く希望されていました。Sさん本人やご家族の希望に沿ったケアを通して、私たちに何ができるのか…探っていきました。
「お風呂に入りたいわ!」を実現
Sさんはとてもしっかりとご自分の意見をお話しされる方で、「お風呂がすきなんだけど、このところ入れてもらっていないの…入りたいわ!」と望まれました。私たちは、何度も除脈発作で意識をなくすことがあったということと、「医師から予後1週間と告知をされている」という状況の中で、悩みながらの結論ではあったのですが、もしものことがあっても入れてあげたい! と考え、職員のこの思いを医師とともにご家族に伝え、ストレッチャー入浴を実行しました。「本当にに気持ちよかった! うれしい!」と満面の笑顔で応えてくださいました。
そして3日後、娘さんに見守られて静かに息を引き取られました。ほんの5分前までお話していらっしゃいました…。とても穏やかな最期でした。
今後は、こういった役割も療養病棟に求められることと思います。大事なときを充実させられるように、看護・介護に力もつけていきたい。「悲しいけれど、ここで看取られて幸せだった!」といってもらえるように……。
現在のような療養病棟の存続が危ぶまれる今回の診療報酬「改定」の中では、患者様、ご家族の方のご要望に応じきれない状況があります。そのような「改定」に憤りを感じています。
本当に患者様、ご家族の方の要求にあった看護・介護ができる療養病棟にしたいと強く思っています。
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