東葛病院 地域に根ざしてともに歩む
 
東葛の健康

No.264 2006年7月号

機能回復訓練をみんなで応援します
東葛病院の医療 リハビリテーション科

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機能回復訓練にはげむ患者様=リハビリ室にて

訪問リハビリも実施

 政府がすすめる医療費抑制政策のもとで、療養病床は減り、介護保険制度も「良くわからないけれど使いにくくなった」という声が聞こえてきます。外来リハビリテーション(以下、リハビリ)も、今までにはなかった日数規制が持ち込まれました。「脳卒中の患者は原則発症日から、180日までしか医療保険でのリハビリは認めない」というのです。リハビリ科では、患者様とともに、この制度改悪に反対する署名に取り組みました。医療費抑制第一優先ではなく、歳をとっても、障害を抱えていても、安心して受けられる医療をめざして、患者様や「東葛健康友の会」の皆様とねばり強く運動をすすめて行きたいと考えています。

リハビリは入院初期から始めます

 脳卒中や大腿骨頚部骨折などの急性期の入院患者様には、ベッドサイドからリハビリは始まります。また、心不全や肺炎手術などで歩行能力の低下した方にも必要に応じて行います。

 機能回復が進めば、必要な患者様宅には退院前に、リハビリのスタッフや看護師が家庭訪問をして、ベッドを置く位置、手すりの取り付けや段差の解消など、療養環境の調整についてアドバイスします。(介護保険制度を使って住宅改修をすることが多いので、事前に制度について説明します)。

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毎週、医師をはじめ各職種が参加して症例検討会が行われます

退院前にご家族と入念な打ち合わせ

 障害が重く、往診して痰を吸引するとか、排尿のため管が付いているなど、退院後、在宅での療養に不安が残りそうな場合、介護をされるご家族と、往診を担当する医師や看護師、ヘルパーさん、介護保険の調整をするケアマネジャー、病棟リハビリのスタッフが集まって、顔をあわせ話し合いを持ちます。そして、なるべくスムーズに在宅療養に移行できるようにしていきます。
 退院してからは、外来のリハビリに通院していただきます(医療保険扱い)。
 この4月から診療報酬が改定され、リハビリができるのは、脳卒中であれば基本的に発症から6ヶ月までと制限がつけられました。
 延長するためには「回復中であるという評価を示すこと」と条件が付けられました。

東葛病院のリハビリ
★ スタッフ
 ・ 医 師  リハビリ専門医
         リハビリ認定医

1人
1人
 ・ 理学療法士
13人
うち、訪問担当         2人
通所リハビリ担当       1人
 ・ 作業療法士
 ・ 言語聴覚士
 ・ 医療相談員 (MSW)
5人
3人
3人
★ 外来、検査
   リハビリ室で平日の午前中
★ 補装具外来(予約制)
   月曜日、午後3時30分から
★ 嚥下造影検査(予約制)
   月曜日、午後

訪問看護ステーションと連携して

 歩行困難で通院は難しいが、継続して治療が必要な方には訪問看護ステーションから、リハビリスタッフが患者様宅に訪問する制度もあります。
 利用をご希望される方は、まずケアマネジャーにご相談ください。

月曜は補装具の外来も

 毎週月曜日、午後3時30分からリハビリ室で、補装具外来も行っています。片麻痺などで下肢装具を作製する、変形性股関節症などで、左右の脚の長さに差があり補高靴が欲しいなどのご相談を受けています。予約制ですので、ご希望の方は病院のリハビリ室にご連絡ください。



46歳以上の流山市民の皆さまへ

基本健康診査(基本検診)を受けましょう

 今年も7月1日〜8月31日までの2ヶ月間、流山市の「基本健康診査(基本健診)」が実施されます。検査内容も、体格指数、血圧、尿検査、採血(貧血、肝臓、腎臓、脂質、糖尿)検査を基本として、医師が必要と認めた場合には心電図と眼底検査も実施しています。
 なお、今年から65才以上の方には「介護予防のための生活機能チェック」が加わりました。総合的にご自分の身体を点検できるこの基本健診をぜひお受けいただくことをおすすめします。

1.実施期間:2005年7月1日(土)〜8月31日(木)
2.対象者:46歳以上の流山市民で「平成18年度健診登録」をされた方
  *  但し、2003年(平成15年)以降に健診をお受けになった方は申し込み不要です。
  *  対象者の方には流山市より受診券が送付されます(6月下旬)。
3.健診費用:1,160円
  *  但し、老人医療受給者証・高齢者受給者証交付を受けた方、生活保護世帯の方、世帯全員が市民税非課税の方は無料となります。
4.持ち物:(1)「基本健診受診票」(2)「問診票」(65歳以上の方)
 (1)(2)共に記入の上ご持参ください。
お持ちの方は・「肝炎ウイルス検診受診票」「老人医療受給者証」「高齢者受給者証」

東葛病院では 予約の必要はありません
受付時間:午前8時45分〜11時30分(日曜祝日は除く毎日実施)
今年の日曜日実施は7月23日8月20日です。
この2日間に限り予約が必要となりますので、ご希望の方は受診日の1週間前までに電話かEメールにてご連絡をお願いします。

東葛病院 地域健康管理室 電話 04−7158−9228
E-mail:tk_kenkan@tokyo-kinikai.com


付属診療所では 完全予約制
付属診療所内科で掛かりつけの方は対象外となります。

東葛病院付属診療所(予約センター) 電話 04−7158−8772




高齢者に情け容赦のない負担増

医療改悪法の成立に怒りの声

具体化許さないたたかいを起こそう

 高齢者・国民に負担増を押し付け、公的保険のきかない医療を拡大して、医療保険制度を土台から崩すような医療改悪法案が、6月終盤国会で可決されました。政府が改悪案の根拠にしてきた医療費伸び率は恣意的にゆがめられたデータであることなど、問題点が噴出していたにもかかわらず、自民党・公明党が採決を強行しました。

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4月17日から6月16日まで、座り込みを続けた民医連と共同組織。東葛病院も連日参加=6月16日雨、国会議員会館前で
 医療改悪法の内容は、70歳以上の「現役並み所得者」の負担を、今年10月以降2割から3割に引き上げる。'08年4月から70〜74歳は、現行1割を2割負担にする、としています。
 70歳以上の療養病床に入院する患者の「食費・居住費」を増やすことも明記されています(月2万8千円の増加)。高齢者が長期にわたって入院する療養病床を大幅に削減する計画も盛り込まれています。療養病床は現在全国に38万床ありますが、'12年3月までに15万床にしようというものです。 いま特養ホームの待機者が全国に34万人といわれています。さらに病院から患者を閉め出し、どこへ行けというのでしょうか。
 「後期高齢者医療制度」を創設し、75歳以上のすべての人から保険料を徴収する。'08年4月スタートで、保険料は月平均約6千2百円、年金から天引きとなります。高すぎる国保料が払えず、全国で470万世帯が滞納していますが、「後期高齢者医療制度」が実施されたら、保険料が払えない高齢者が、医療から遠ざけられはしないかと懸念されます。
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医療改悪許すな、看護師増やせと訴える職員=江戸川台商店街で
 保険のきく医療ときかない医療を組み合わせる「混合診療」が拡大されます。行き着く先は保険外診療の本格的な導入であり、国民皆保険を根幹から揺るがしかねません。
 多くの国民が医療改悪を許さない運動に加わりました。署名は全国で、1千7百万筆に及びました。東葛病院には4千33筆も届けられ、改悪に抗議する街頭宣伝に「住民税が倍以上になった。さらに医療費負担を増やされては、医者にもかかれない。情け容赦もない」と、怒りの声が寄せられています。圧倒的多数の国民は負担増に反対です。国会は通過しましたが、悪法の具体化はまだまだこれから。実行に移させないたたかいが求められています。



シリーズ けんさ(11)

心臓超音波検査

写真 超音波検査はエコー検査とも言い、機械から出た超音波が内臓に当たって反射し、コンピューターで画像を作ります。検査の種類には腹部、甲状腺などがありますが、心臓を対象とする『心臓超音波検査(心エコー)』は心臓の動きを目で見ることができます。放射線を使わないので体に害はなく繰り返し検査が可能です。患者様にはベッドに寝ていただき胸部に少量のゼリーを塗ります。検査時間は20〜30分位で食事の制限はなく痛みもありませんが、胸の骨を押す圧迫感が多少あるかもしれません。検査では、心臓の大きさや生まれつきの形の異常、心筋梗塞などによる動き方の異常、血液の流れの方向や速さがわかります。また、心臓のまわりに溜まってしまった水や、まれに心臓の中に腫瘍を発見することもあります。簡単に行え、多くの情報が得られる検査です。



クスリ あ・れ・こ・れ

〜 胃薬について 〜

夏は胃・腸をこわしやすい季節

写真薬剤師 菊池知美

 暑い夏がやってきました。夏は胃腸の調子を崩す方が多くいます。そこで今回は胃薬についてご紹介します。胃は、胃液(塩酸やたんぱく質を分解する酵素ペプシンなど)を出すことで、食べ物を消化します。ところが、強い酸である胃酸は胃を攻撃する因子ともなります。一方、胃の内面をずっと覆っている粘液(防御因子と呼んでいます)で胃は守られています。この攻撃因子と防御因子のバランスが崩れると、胃炎や胃潰瘍になってしまいます。暴飲暴食、アルコール、ストレス、カフェイン、胃を痛める薬物の服用などがバランスを崩す原因となります。ピロリ菌という細菌が胃潰瘍に関連があるとも言われています。
 崩れたバランスを整えるには、(1)攻撃因子の抑制か、(2)防御因子の増強かということになります。(1)として、「H2ブロッカー」という胃酸の分泌を抑える薬があります。この薬は急に服用を止めると症状が再発するおそれがあります。市販薬として発売されていますが、効果が高い反面、副作用もあるお薬です。2週間を超えて服用が必要なときは、病院への受診をお勧めします。「H2ブロッカー」よりも強力な薬が「プロトンポンプ阻害薬」で胃・十二指腸潰瘍の治療に使われます。その他、胃酸を中和するお薬もあり、空腹時服用が効果的です。(2)は、胃粘膜保護剤、胃粘液分泌促進剤、胃粘膜修復促進剤などがあります。(1)(2)の薬は組み合わせて使われています。その他、ピロリ菌の除菌や健胃薬、消化剤などもあります。



訪問看護日誌から

今も残る戦争の傷跡

江戸川台訪問看護ステーション

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江戸川台訪問看護ステーションのメンバー。前列左端が筆者

 ある利用者様の初めての訪問時のエピソードをご紹介します。
 私は訪問看護に配属になってもう7年になります。でも、初めての利用者様にお会いするのは今でも緊張します。ドアの前で深呼吸し、「初めまして。看護師の二階堂です」と笑顔で挨拶します。
 ところが、A氏の返事は「軍人か! 一般人か!」と厳しい口調。表情はこわばっています。私はすっかり面食らってしまい、しばし黙ってしまいました。奥さんが「看護婦さんですよ。身体の調子を看に来てくれたのよ」となだめます。私も一緒に訪問の意図を説明します。
 認知症を患っているA氏とこの押し問答が5回ほど続き、やっと「それならいいんだ」と居間への入室を許されました。
 その後、A氏は私の知らない英語の歌をピアノに合わせて聞かせてくれました。A氏はもと軍人で、「二階堂」という苗字が軍人を連想させたようです。
 92歳のA氏の恐怖や不安の表情と、穏やかに歌うお顔を見くらべながら、今も残る戦争の傷跡に胸が痛みました。

所長 二階堂規子



聴診器

快適なオムツライフがおくれるように

 病棟では患者さんに、より快適な療養をしていただけるようにと、新しいオムツの検討をしています。
 これまでオムツといえば、尿とりパットの使用が主流でした。しかし、パットを何枚も重ねて使うため、むれによる不快感があり、かゆみや皮膚かぶれの原因にもなってきました。夜間のオムツ交換は、睡眠の妨げにもなります。また、介護する側にとっても負担は大きいのです。
 いま試しているオムツは、福祉先進国のスウェーデン生まれ。吸収力に富んでおり、尿とりパットを使用しないで済むタイプの物です。もしこの製品が実用可能であれば、夜間のオムツ交換が不要になり、介護する側にとっても、される側にとっても画期的で、大変楽になります。
 また、汚物も少なくなり、処理の手間も減ることでしょう。
 自宅でも入院していても、清潔でかっこ良い、快適なオムツライフが送れるようになればと考えています。

松尾 芳





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