東葛病院 地域に根ざしてともに歩む
 
東葛の健康

No.265 2006年8月号

東葛病院の医療 麻酔科

常勤麻酔医の管理のもと

年間800件の手術

 麻酔とは人間の身体を手術が可能な状態にすることです。手術は、痛みのほかにも身体にさまざまな影響を及ぼします。麻酔医の役割は、患者さんが痛みを感じないようにするだけではありません。手術中における生命の危機を防ぎ、有害な身体的影響を最小限に食い止めることも求められます。したがって麻酔医は、患者さんの全身の状態を術前、術中、術後にわたって観察し、必要な処置を行っているのです。

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手術前に麻酔をかける医師。麻酔医、外科医、看護師の面々=東葛病院の手術室

 現代に生きる我々からみると、手術をする時に麻酔が必要なのは常識ですが、実際に麻酔が一般的になったのは19世紀になってからです。1846年にモートンという人が麻酔の公開実験をして一般的になりました。ちなみに、日本では1804年に華岡清州という人がマンダラゲという薬を使用して全身麻酔を行い乳癌の手術を成功させています。

麻酔はどんどん安全に

 麻酔が一般的になる前は、主に体の表面の手術が主体で、腹部を切っての内臓の手術などは不可能でした。麻酔の進歩とともに、手術が進歩したということは間違いありません。そして、麻酔は年月を経て進歩して、どんどん安全になっています。
 最近、マスコミでも安全に手術をするために、麻酔医の重要性を指摘するようになっています。しかし、まだ、麻酔は100%安全というわけではありません。

全身麻酔と局所麻酔

 麻酔は、大きく分けると意識がなくなる全身麻酔と意識を残す局所麻酔に分けられます。局所麻酔は、さらに脊椎麻酔や浸潤麻酔などに分けられます。麻酔そのものに、それぞれ特徴があり長所と短所があります。状況により、最適の麻酔方法は異なります。
 麻酔医は、手術を受ける前に患者さんに麻酔をかけて、そして手術の時に患者さんの側にいて、患者さんの血圧、脈拍、呼吸状態、麻酔の効き具合などの全身状態を診察して、それに対して薬を投与したりする専門家です。
 患者さんが麻酔で意識が無い時に、そばにいて仕事をしていますので、あまり表に出ることはありません。手術を受ける患者さんで麻酔方法にご希望があるようでしたら、主治医あるいは麻酔医にご相談下さい。

痛み外来も行っています

 東葛病院では、毎年800件ほどの手術が行われています。そのうち、歯の治療の時と同じようにする局所浸潤麻酔以外の手術麻酔のほとんどを麻酔科医師の管理の元で行われています。
 現在、東葛病院には、麻酔専門医が2名、常勤医が1名、非常勤の麻酔専門医が2名の体制で麻酔管理を行っています。基本的には、安全はもちろんですが、QOL(生活の質)を落とさない麻酔を目指しています。つまり、術後の痛みや合併症などを起こさない麻酔を心がけています。
 また、麻酔科は、ペインクリニックという痛み外来を行っています。ペインクリニックでは、腰下肢痛、帯状疱疹後神経痛などの慢性疼痛疾患などの治療を行います。
 現在は、水曜日午前だけですが、今後、外来単位を増やす予定もあります。



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江戸川台西2丁目を行進する参加者=7月22日
国民平和大行進・流山コース

「原爆の火」を先頭に140人が歩く

 7月22日、長雨の続いたつかの間の曇り日のなか、国民平和大行進・流山コースに140人が参加。江戸川台駅前から松戸市横須賀公園までの12キロの道のりを歩きました。

 先導車からは「ごいっしょに一歩でも二歩でも行進に参加しませんか」と、看護学生の爽やかな声が沿道に流れ、核兵器廃絶と被爆者援護、唯一の被爆国民として草の根からの運動を市民に呼びかけました。
 個人参加した一人の青年は、1950年代にイギリスが行った原爆実験で、被爆したオーストラリアの原住民アボリジニ族から託されたという旗を持って、痛めた足首をかばいながらも最後まで歩き通しました。
 『原爆の火』を持って行進の先頭に立つ柳沼正幸さんは「3年前、坂さん(実行委員会事務局長)から受け継ぎました。この火は千葉県でもこの流山にしかない。大切な平和のシンボルです。今度はこの火を私たちが若者に引き継がなければ」と、決意を語っていました。



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新婦人流山支部の皆さんが、自らの戦争体験を語りました
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展示された遺品などの説明を聞く職員
全体職員集会・平和についての学習会

5人の戦争体験に耳を傾ける

 7月19日、東葛看護専門学校で月例の全体職員集会が行われ、平和について学習しました。新日本婦人の会(新婦人)・流山支部では、昨年「いま戦争を語る」と題し、会員32人の手記をもとに文集を出版しており、5人の方々から戦争体験を話していただきました。

 支部長の安藤次子さんは、太平洋戦争について「みんな生涯忘れられないつらい経験をしています。若い人に語り継ぐことが大事」とあいさつ。
 谷川光江さんの兄は、19歳で海軍航空隊予科練に入り、22歳で戦死。パラオ島で遺骨が発見されたのは56年後の2001年でした。谷川さんは「自由な青春もなく戦死した兄への、鎮魂の思いで平和を守る運動を続けている」と述べました。
 大久保文子さんは「平和のための戦争展」で、夜空を真っ赤に染めた空襲の絵手紙に目をとめました。茨城県側から、東京の赤い空を見たのは13歳の時。のちに母の実家のある深川の惨禍を知りました。流山には焼け出された多くの人が、橋を渡って逃れてきました。
 流山にもB29が落ちました。東京を爆撃して帰る途中、日本軍の攻撃を受けて、初石駅から西に約500m地点に墜落。残骸はバラバラに飛び散り、木の枝にも引っかかっていたといいます。文集の編集に携わった白木惠委子さんは「米兵の12遺体は、町の人たちが丁寧に共同墓地に埋葬しました」と、聞き取りの様子を語ります。
 山田幸子さんは、父親が保管しておいた兄の遺言書などをスライドをまじえて紹介。戦地からのはがきや手紙には、すべて「検閲済」の朱印が押してあります。遺言書には、辞世の句“幾歳か待ち居たりしぞ今日の日を 皇國(すめらみくに)の華と散るらん”とあり、両親宛に、「先行く親不孝は忠を以って取り返す」としたためてあります。兄は25歳でした。戦争遂行のために、若者の心も命も奪われたのです。
 職員は「身近な主婦が戦争を語り継ぐ運動を各地に広げたいですね」などと感想を述べています。


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シリーズ けんさ(12)

頸動脈エコー検査で動脈硬化がわかる

 今回は、頸動脈エコー検査の紹介です。近年日本では生活習慣の欧米化によって、動脈硬化が増えています。それにしたがい、心筋梗塞や脳梗塞も増えてきました。
 頸動脈は首の表面近くにある太い血管で、脳へ栄養を送っています。頸動脈は、特にプラークと呼ばれる動脈硬化のもとがたまりやすい場所で、プラークがたまると、血管の壁が厚く硬くなり血管が狭くなります。つまり頸動脈をみれば、全身の動脈硬化の状態がわかります。頚動脈エコー検査では、血管の狭さ・壁の厚さのほかに、血液の流れの速さを計ることで、見えない近くの血管の狭さや詰まり具合も推測できます。
 身体に害がなく何度でも検査が可能で、定期的に検査をすることで動脈硬化の進み具合を調べることができます。早期発見、早期治療のためにも、是非検査を受けましょう。

検査技師・室伏延江



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歯科コーナー

〜 上手なブラッシング 〜

歯周病予防と治療の基礎になる

東葛歯科 歯科衛生士 谷島智子

 一般的によい条件を兼ね備えた歯ブラシの基準について説明します。

歯ブラシの選択法

 ヘッドは小さめで、上から見ても毛束は3列〜4列植え込んであり、毛の材質はナイロン製で、柄の形は握りやすく、適度な長さの物が良いでしょう。硬さは歯肉が健康な方なら普通のものを、歯肉に腫れや痛みがある方は、最初は柔らかめの物を使うことをお勧めします。1カ月に1本程度を基準に歯ブラシは交換してください。

ブラッシング法

 歯周病の予防のためには、歯の側面や、歯と歯肉の境目、歯と歯の間をきれいにすることが必要です。歯ブラシの使い方にはいろいろな方法がありますが、ここではバス法について説明します。
 歯ブラシをペングリップ(鉛筆の持ち方)で持ち、毛先を歯と歯肉の境目に約45度の角度で当てるようにします。そして歯ブラシの毛先を1mm〜3mm程度のストロークで、歯の面に沿わせるように小刻みに20回〜30回程度動かします。前歯や奥歯など、歯の形や歯並びに応じて歯ブラシを縦に使ったり、横に使ったりします。すべての歯を順番に、みがいていきましょう。

磨き残しが多い部分

 良いブラシを選んでていねいにみがいたと思っても、みがき残しが見つかるものです。
 食べものを咀嚼する際には唾液や食物、舌や頬の筋肉の動きなどの自浄作用が働き、歯の表面の汚れを取ります。ところが、歯と歯の間と歯と歯肉の境目では、この自浄作用が働きにくい部分です。また、一番奥の歯の裏側も汚れが落ちにくい部分です。
 これらの部分の汚れを落とすことがブラッシングの目的です。そして歯周病予防と治療の基礎となります。
 どんな歯ブラシを選んだらよいか、どんなみがき方が良いのかなど、歯科医や歯科衛生士に相談し、正しい指導を受け、上手に使いこなすことがポイントです。



聴診器

病院ランキングのおとし穴

 書店に行くと病院ランキングの本がよく積まれています。人気があるのでしょうが、その実態はというと残念ながら根拠に乏しいものばかりです。手術に関して考えてみれば、そもそも外科手術の技量は病院という施設にあるものではなく、外科医個人にあるのです。いくらその施設の手術例数が多くても、担当する外科医の経験、技量がどうかが抜け落ちていてはなんの意味がないことはおわかりと思います。もちろん周りのスタッフの技量も高くなければ術中、術後に影響します。しかし、チームリーダーの執刀医が経験不足で技術が高くなければ不幸な結果になることは、某医大での心臓手術の例をみるまでもありません。患者さんは大学病院だからということで信用したのでしょうが、問題はその病院の誰に手術をしてもらうかということなのです。その視点に立たない限りランキング本は、高校別の大学合格数の順位と同じレベルでしかありません。

(川村光夫)





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