東葛病院 地域に根ざしてともに歩む
 
東葛の健康

No.276 2007年7月号

「今こそ、医療崩壊から住民の命と健康を守ろう」と決意!
08年4月から始まる「後期高齢者医療制度」について全職員集会を開催

 6月20日、職員集会が東葛看護専門学校で開催され、120名が参加しました。今、「消えた年金」「増えた税金」と深刻な問題が国民的な怒りを呼んでいます。そのような中、昨年6月の国会で強行成立させられた差別と収奪の制度=「医療改革関連法」が高齢者をターゲットに次々実施されています。今回の集会は、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)の「高齢者の生活を守れ! 生活保護の拡充をめざした『強化月間』(6〜7月)」の呼びかけに応えた取り組みとして、学習会が行われたものです。

職員が「高齢者いじめを止めよ!」と風刺コント

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わかりにくい「後期高齢者医療制度」を寸劇で解明する職員たち


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講演する後藤嘉輝さん

 集会の冒頭、病院職員が「作・演出」した風刺コント『あ〜あ、後期高齢者』が上演されました。コミカルな演技に時には爆笑を誘いながらも、その深刻な内容に職員は真剣な眼差しで見入っていました。

「学習して行動を!」と本間章院長が訴え

 開会挨拶の中で、本間章院長は「私たち医療者は、生命を取り扱う中で格差があってはならないと認識している。しかし、残念ながら今の政治の流れの中では、お金の有るなしで医療サービスが違ってくる制度を推し進めている。講師の話をしっかりと身に着け、地域の皆さんにお知らせし、共に行動することが大切です」と参加者に呼びかけました。
 次に、東京社会保障推進協議会(東京社保協)事務局長の後藤嘉輝さんが「後期高齢者医療制度で医療はどうなる・いまこそ医療崩壊から住民の命と健康を守る・」と題して講演を行いました。   以下に要旨をご紹介します。

貧困と社会的格差の新たな広がり

 日本医療政策機構の資料からも貧困と社会的格差の新たな広がりが見られ、低所得層ほど受診率の低下が顕在化している。医療費の負担増や病床削減、市場化での「国民医療費」削減か、憲法25条で保障される社会保障の拡充かが問われている。昨年6月強行可決された「医療制度改革関連法」は、自己責任論での国の負担削減策である。

「後期高齢者医療制度」は来年4月実施

75歳以上のすべての高齢者を対象(生保など一部対象外あり)とした独立の医療制度であり、運営主体は都道府県ごとに市町村が強制加入する「広域連合」。
老人保健法第1条の「目的」に明記されていた「健康の保持」が削られ、「医療の適正化」の文言が加わる。
後期高齢者全員が被保険者本人となる。
保険給付の財源は、1割の保険料(自己負担・年金天引き)で月6〜7千円の負担増。さらに、医療費の自己負担は1割。(現役並み所得者は3割負担)
保険料滞納者には保険証のかわりに「資格証」を交付。「保険給付の一時差し止め」も。
診療報酬(診療行為に対して支払われる代金)は別立てとなり、その中身は「定額制」の採用などで抑制。
運営主体の広域連合は「超小選挙区制」で国民意見の反映が困難。
自治体検診はなくなり「特定検診・保健指導」へ。「医療費の適正化」を強調!

いのちの年齢差別に反対する大運動を!

 後藤氏は、結びの言葉として「超高齢化社会にふさわしい社会への変革、税金の流れを国民のくらし優先に転換させ、そのための運動に取り組む事。当面する参議院選挙で政治を変えるたたかいを!」と呼びかけました。



保険適用後の禁煙外来
3カ月の成功率7割

 06年7月から東葛病院付属診療所で禁煙外来が保険適応になりました。07年5月末までの10カ月間に、70名の患者さんが受診されています。初診3カ月後43名中31名が禁煙持続(31/43:3カ月成功率72%)、6カ月後では同様に33名中19名(19/33:6カ月成功率57%)でした。

呼吸器科・医長 星野啓一

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星野医師の禁煙外来

 中医協による中間報告では、成功率3カ月39・9%といわれ、7割はいい成績ではないでしょうか? 当院の禁煙外来では初診を5人までと限定し、知識の伝達ではなく、「吸わされている」人生のデメリットをお伝えして、最終的にはご自信で禁煙開始を決めていただいています。

若い方は自費扱いで  

 一日喫煙本数×喫煙年数(ブリンクマン指数)200以上が保険適応になります。この規定により一番治療を受けていただきたい未青年や20歳代の方は保険が効かないことになっています。この数字は癌発生の指標として用いられていたもので保険適応の条件としては明らかに不適当ですが保険審査上止むを得ません。保険適応にならないかたでも、自費診療での治療開始をお勧めしています。
 東葛病院まで来られない方は禁煙本を読むだけでもいかがでしょうか?「リセット! ―タバコ無用のパラダイス」(磯村毅著:幻冬舎1200円)がお勧めです。この方法を外来でも参考にしています。病院の売店に置いてあります。

日本での禁煙は世界一難しい!? 

 外来で「こんなものを売らなければいいのに」という声を聞きます。薬理学的にはニコチンはモルヒネと同等の依存性を持つ物質です。それを子どもの小遣いでも買える300円という値段で、路上の自販機で販売されている事が治療を難しくしています。
 こうした国は世界中でも日本だけです。
 禁煙外来の保険診療施設は敷地内の禁煙が条件となっています。付属診療所の敷地内は禁煙ですが、東葛病院はまだ敷地内禁煙になっておりません。病院の禁煙化は世の流れと考えますが、まだまだ病院内部でも反対意見が多い状況です。
 ぜひご利用のみなさまからのご意見をお願いいたします。

成功者の傾向
 ○自己意思による来院
 ○やめたいと思いながら吸っている方
 ○応援してくれる家族がいる方

失敗・中断者の傾向
 ○(自己意思ではなく)しぶしぶやってきた方
 ○単身世帯または自分以外にも家でタバコを吸う人がいる方
 ○認知症など記憶障害のある方
 ○精神科で処方を受けている方(気持ちのコントロールに慣れていないためと思われます)




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クスリ あ・れ・こ・れ

思わぬ副作用に遭った時の保険

医薬品副作用被害救済制度について

薬剤師 矢島かおり

 「薬」と「副作用」は切っても切れない関係です。医師の指示通り、薬の注意書き通りに飲んでも、予想外の副作用が起きてしまうことがあります。
 車に乗るなら自動車保険、家を買ったら火災保険、といったように薬にも「保険」があるのをご存知ですか? 予測できない重症な副作用に遭った時、医療費などが補償される制度で、正式には「医薬品副作用被害救済制度」と言います。
 これは法律(医薬品医療機器総合機構法)に基づく公的な制度で、国や製薬会社が出資をしています。そのため、前もって保険料などを払う必要はなく、誰でも補償が受けられます。
 対象となるのは「薬を決められた通りに服用したにもかかわらず発生した、副作用が原因の重症(入院が必要な程度)の病気や障害」となっています。薬は医師から処方されたものだけでなく、ドラッグストアなどで購入したものも対象になります。
 これまで補償された副作用で多いものは、重症の薬疹、肝臓・腎臓の障害、アレルギーによるショックなどです。逆に補償されないものとして、予防接種によるもの(別の補償制度がある)、抗がん剤や免疫抑制剤によるもの、副作用の症状が軽い場合、薬を正しく使用していなかった場合などがあります。
 請求する際は医師の診断書や薬を処方したことを証明する書類などを補償先(医薬品医療機器総合機構)に提出します。なお、平成16年より人や動物由来の製品(輸血など)によりウイルスなどが感染し、健康を害した場合も別の制度(生物由来製品感染等被害救済制度)によって補償が受けられることになっています。
 いざという時のためにこの制度の存在を知っていただけると幸いです。




聴診器

「ひさの星」の輝き

 仕事を終えた帰り道、夜空に輝く星座を眺めることがあります。希に星が流れたりすると、すべてが良い一日だったように思えたりして…子供の頃、祖父母の家で見た天の川は確かに星の帯が空を渡っていて、感動したものです
 七夕伝説といえば織姫と彦星が有名ですが、星にまつわるお話の一つに、いわさきちひろさんの「ひさの星」という絵本があります。秋田の小さな女の子・ひさは、ある大雨の夏、川に落ちた男の子を助けたのですが自分が水にのまれて死んでしまいます。村人はそんな強い心の持ち主であったひさを思い、ある星に「ひさの星」と名づけました。そこには自分の事だけでなく人の為に生きる姿が描かれています
 先日、ある講演会で「命の輝き」についてお話を伺いました。人の命は一つだけでは輝かない、人との触合いを通して輝きだすもの、誰かを輝かすことで初めてその人も輝き始める…と。七夕の季節です。皆さんはどんな思いを廻らすのでしょうか。(M)



国保加入者の負担軽減を求めて市と懇談
「流山市の国保を良くする会」

 「流山市の国保を良くする会」(会長:植木忠義氏)は、国民健康保険加入者の負担軽減などを求めて、6月8日、流山市役所で市と懇談しました。会から5人が参加し、小田桐たかし市議会議員(共)も立ち会いました。

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懇談する市担当者と「流山市の国保をよくする回」=流山市役所にて

 年々高くなる国保料が払えずに、滞納する市民が増えています。流山市の05年度滞納世帯は4069件にも及びました。
 国保を良くする会は、社会的にも問題になっているネットカフェ難民の青年などの実態を話し、滞納者に一律に資格証明書を発行するのではなく、状況をよくつかむこと。また滞納額を計画的に分納している場合は、「資格証明書」ではなく、正規の保険証を交付してほしいと要望。市は「国保相談窓口」の時間帯を夕方にも設けたり、プライバシーに配慮する部屋を検討するなどの意向を示しました。
 国保を良くする会は、7月8日に「国保110番」を開催しますが、市は「協力したい。相談事の内容によっては市の窓口にも結び付けたい」と話しています。
 国の方針で国保料が来年度より、年金から天引きとなります。「会」は「すでに介護保険料が年金から天引きされていることについて、納付者の批判は大きい」「市民の声を聞くべきだ」と要請。市は「年金受給年額18万円以上で、国保料が年金の半分未満が対象者」と基準を示しながらも、「特定疾患患者や障害者などに対しては、市独自に配慮したい」とのべています。
 国保制度は、自治体だけでは解決できない問題があります。国や県への働きかけも重要であり、懇談会では今後も協議を行うことになりました。

電話「国保なんでも相談」
■日 時:7月8日(日) 午後1時〜4時
■電話番号:04−7152−5802 / 04−7178−5551 / 04−7141−6200
■主催:流山市の国保を良くする会



表


ぶらり・とうかつ(139)

今上落し[2]

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今この辺りが落としの起点
―流山市深井新田

 何とか「落し」の年齢をさぐり当てたいとバイクを駆ってみたが無駄骨に終わった。
 「落し」に沿って野田方面に向かうと、先ず、稲荷神社、運河を越えると六社神社、大杉神社(土地の人は水神様と呼ぶ)、さらに先には女体神社と、川沿いにはやたらと神様が多い。これらの神社境内にある「庚申塔」に刻まれた年号を見ると、圧倒的に宝暦、安政、享和が多い。
 これらの神社や石碑は、もともとはもっと台地寄り、今の有料道路あたりにあったものが、何らかの工事の都合で堤防近くに移されたと思われる。宝暦といえば今から250年も前である。凡そその頃「落し」は掘られたと考えられる。台地にあった小金牧(流山)庄内牧(野田)が幕末期に廃止され、農地に変わったいきさつは前に書いた。その頃の江戸川沿いの低地は、洪水にそなえた遊水地として、葦の生い繁ったままに残された。
 洪水のたびに対岸の埼玉県までが一面の海の様相となる。今上に生まれ、今も堤防下に住む鈴木正子さん(84歳)に話を聞いた。「昭和13年の台風のときには、梅郷小学校に通うのに舟で台地までたどりついた」。勿論その頃も「落し」は存在していた。流山の落とし場まで約9キロ、勾配はわずかである。自然の猛威の前になすすべもなかった。
 その後、利根運河の工事によって運河下を通っていた水路が壊され、「落し」は分断され、今は名のみの今上落しとなった。こんな小さな掘割りにも、そこに住む人びとを包んでさまざまの歴史があったのだとしみじみ思う。(田)




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