東葛病院の医療 整形外科
さらに充実した整形外科の医師体制
日本人の体型に合った人工膝関節の開発すすむ
東葛病院の整形外科は、従来大学病院からの医師派遣のもとに診療を行ってきましたが、本年4月に当院の常勤医師が研修を終えて帰任したことにより、いっそう体制が整いました。 外来・病棟の診療充実はもとより、整形外科の手術件数も徐々に増加しています。本号では、変形性膝関節症について紹介します。(編集部)
早川 徹
整形外科医師(本文)
男性より女性に多い疾患
変形性膝関節症は年齢とともに増え、男性より女性に多い病気です。女性では、60歳で約4割、80歳で6割以上の方に、レントゲン検査で変形の所見が見られます。但し、レントゲンで変形が見つかっても、症状のある方は2割程度と言われています。
主な症状は、膝の痛み、曲げ伸ばしの制限、腫れです。
膝の痛みは、立ち上がりや歩くとき、階段の上り下りなど、膝に力がかかるときに見られます。
曲げ伸ばしの制限は、正座やしゃがむといった曲げる動作だけでなく、まっすぐ伸ばすこともしにくくなります。膝を曲げた状態で立ったり歩くことで、膝の前側の腱を痛めたり、重心をとるために腰がかがむこともあります。
腫れは、関節の中で炎症が起きることにより、水がたまった状態です。膝の前側にたまることが多いですが、膝の裏側まで腫れることもあります。たまりすぎる場合は、水を抜いた方がいいと言われています。
治療には保存療法と手術療法がある
保存療法には薬物療法、運動療法、装具があり、これらの組み合わせになります。
薬物療法には、痛み止めの飲み薬、坐薬、湿布や塗り薬、ヒアルロン酸、ステロイドの関節注射があります。痛み止めは、よく使われる薬ですが、副作用で長期間使えない方もいます。
ステロイドの注射は、関節の骨を弱くすることがあり、何回も使うのが難しいです。近年は、ヒアルロン酸の関節注射がよく行われます。
運動療法は、筋力と曲げ伸ばしの訓練です。膝を温めてから行うと、関節や筋が柔らかくなり、痛みも少なく練習ができます。仰向けや椅子にすわった状態で片方の脚を伸ばし、10秒ほどその姿勢を保つ練習が、大腿四頭筋の力を鍛える簡単な方法として勧められています。
装具をつけて膝の負担を軽減する
装具の目的は、膝の負担を軽くすること、関節を安定させることです。サポータには関節を支える機能は弱く、保温効果がおもな働きです。足底板はO脚を矯正して膝の内側の負担を減らし、痛みを和らげます。膝装具は硬い枠で作られ、サポータと比べ、関節を支える効果が高いです。杖も、装具の一つと言えます。日常生活ではT字杖がよく使われます。
さまざまな手術がある
手術療法は、保存療法で症状が楽にならない場合に行います。
関節鏡手術
関節内を内視鏡で観察しつつ、変性した軟骨や半月板、増生した滑膜(かつまく)や骨棘(こつきょく)を削ります。
脛骨骨切り術
脛骨の関節の向きを変えて、O脚を矯正し、膝の内側の負担を減らす手術です。
この手術は近年人工膝関節の性能が良くなるにつれ減少し、人工関節置換術にかわる傾向にあります。
人工関節置換術
関節の表面を削り、金属やプラスチックで出来た人工の関節に入れ替える手術です。痛みを感じる部分を削り取り、関節も安定するため、痛みは殆ど軽減します。
また、近年、日本人の体型に合わせた人工関節が開発され、従来は90度程度しか曲がらないと言われていた人工関節ですが、120度〜130度まで曲がる種類のものもあります。
当院では、日本人に合わせて開発された人工膝関節手術を行っております。詳細は整形外科までお問い合わせ下さい。 |