東葛病院 地域に根ざしてともに歩む
 

東葛の健康

No.282 2008年1月号

未来を見つめる瞳(め) 見守る瞳(め)

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こどもふゆまつり

 光と影のファンタジー。スクリーンに映し出された影絵を見つめる瞳が、みんな輝いています。12月15日、恒例の「こどもふゆまつり」。東葛看護専門学校に200人の親子が集まりました。
 アンパンマンやくまさんの紙人形劇に小さな手が拍手を送ります。椅子取りゲームは真剣そのもの。おしりかじり虫のダンスが始まり「さあ、みんなで踊ろう」とアフロヘアーのピエロがおどけた仕草で手を差し出すと、一目散に逃げ回ります。

健康な社会であれ。
そして、からだも心もすこやかに育ってほしい。
願いを込めた「こどもふゆまつり」です。

 



新春座談会

「だれもが、いつでも、安心してかかれる医療」をめざして

力を寄せて、新しい風を起こしていこう!

 

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本年もよろしくお願いいたします
出 席 者
東葛病院院長 本間 章
医局長・外科医 濱砂 一光
副総看護師長 山本登美子
医学生室主任 武井 和希
組織部長 星野 幸治
司会・副院長(編集長) 川村 光夫

 

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司会・川村副院長
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本間院長
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濱砂医局長
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山本副総看護師長
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武井医学生室主任
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星野組織部長

【司会】あけましておめでとうございます。
今の深刻な医療危機は、「地域医療崩壊」「お産難民」「救急車たらい回し」などとマスコミでも大きく取り上げられています。まず本間院長から全体的な状況をお話しください。

医師の絶対的不足

【本間】まず一つは、長年の医療費抑制、医師養成抑制の政策によって、医師の絶対的な不足が生まれていることです。このままだと人口千人あたりの医師数を世界で比較すると、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で日本は最下位になろうとしている。その一方で、医療が高度に精密になってきて、かつ安全性が求められ、医療現場はさらに厳しさを増しています。
 二つめは、保険制度の改悪によって、自己負担額が増え、患者さんが医療にかかりにくい事態が生まれています。
 三つめは、診療報酬制度の改悪で病院の倒産や病棟閉鎖が増え、病院存続の危機が叫ばれていることです。

【司会】外科のところはどうでしょうか。
【濱砂】何か術後にトラブルがあると、すぐに医療ミスではと訴訟になり、やりにくくなっています。外科の場合はギリギリまで挑戦してドキドキしながら技術を高め、成長していくんですが、それができにくい。一方、そんなに大変なのは嫌だというので若い医師の外科志望が減っています。
 さらに、内視鏡手術が主流になってきているように、技術そのものが全く違うものになってきています。どんどん新しくなる技術をどう継承していくかも大きな課題です。

やりがいが挫(くじ)かれる

【司会】看護師さんのところも大変なことになっていますね。
【山本】去年4月の診療報酬改定で新設された「7対1」の看護師配置基準は、唯一ここだけ診療報酬がプラスになったために、看護師の争奪戦が起きました。看護師が増えることはいいことですが、条件のいい大病院に集中して、中小病院はさらに確保が厳しくなっています。
【司会】アメリカでは「看護の崩壊」が叫ばれているようですね。
【山本】効率性や利益が優先され、「看護の質」が尊重されなくなっているんです。それでアメリカでは看護師がやりがいを失ってやめていっています。
日本も同じような事態が起きています。新卒の看護師が1年以内にやめる離職率は9・3%(04年)にものぼります。全体の離職率は11・6%、1割以上がやめてしまいます。
【司会】医師も看護師も「つらいけど、やりがいがあるから続けている」という面がありますが、そのやりがいを挫くような事態が起きているわけですね。

ここに希望がある

【司会】年明けから暗い話になりましたが(笑)、では私たちはどうすれば展望を見出すことができるか。お一人ずつお願いします。
【山本】昨年、子育てなどで看護の仕事をやめた方を対象に復職支援講座を開いたら、17名も参加がありました。働きたい人はいるんですね。また、看護師をめざす人も減っているわけではありません。看護学生室は、民医連のめざす「共同の営みとしての医療」を前面に、看護の魅力を伝えていきたいですね。
 「看護師増やせ」の署名は国会で採択されました。さらに、国の施策となるまでがんばります。
【武井】医学生に医師の絶対的不足、医療崩壊の問題などを話すとともに、私たち民医連は行動を起こすことで展望を切り開いていることも話しています。
 昨年10月東大で開かれた「日本の医療の光と影」の講演会には、大勢の医学生が参加しました。また、去年夏の全国医学生ゼミナールは「医療崩壊から医療再生へ」というテーマで深めました。医学生たちと一緒になって、新しい風を起こしていきたい。
【星野】去年11月21日、約50人の職員が「医療の崩壊許すな」と地域訪問行動に出ました。地域の方たちは東葛病院に期待をかけています。地域の人たちと力を合わせて医療をよくしていく運動をさらに追求していくことが大事だと思います。

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昨年10月18日日比谷野音で開かれた「医師・
看護師増やせ」集会=銀座に向けてパレード
する参加者

後継者育成で明るく

【本間】医療はそもそも市場原理になじまないものです。「いのちに差別はない」は人類共通の認識です。しかし、国の政策がこのまま行けば、民医連の医療機関は存続の危機になる。まさに正念場です。
 その解決の重要な一つが後継者育成です。東葛病院には地域医療をめざす若い研修医が入ってきています。
【濱砂】活性化されて、こちらが元気になります。展望は明るい(笑)。
【本間】たしかに若い研修医が入ってくると刺激になり、こっちが凛とする。ここに一つの希望があります。
【司会】本日はありがとうございました。

 


あったかでゆっくりとしたひと時

我がまちの介護 「ひまわりの家」

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「ひまわりの家」の居間で語らう利用者様

「ひまわりの家」をご存知ですか。東葛病院から南に歩いて5分、三輪野山1丁目の閑静な住宅街にある居宅介護事業所です。流山市では初めての小規模多機能型施設で、地域に密着したサービスを提供しています。

 民家を改造して昨年8月にオープン。10人の登録スタッフとボランティアの協力を得て運営しています。日当りの良い部屋の中では、ソファにかけて談笑する人、補助器具を支えに歩行訓練に励む人、お昼の準備を手伝っている人もいました。
 三村謙二施設長は「自分らしい生活を送ってもらえるように、一人ひとりに合ったサービスを提供します。スケジュールも決まったものはありません」と、家にいるがままの自然な過ごし方を強調します。
 日中利用される方の「通所介護」を主に、ホームヘルパーによる「訪問介護」、家庭で介護にあたっている方の状況により「泊まり(ショートステイ)」も可能です。24時間365日対応できる介護サービス施設。あったかで、ゆっくりと時が流れてゆく、そんな感じの「ひまわりの家」です。

写真「ひまわりの家」
問い合わせ電話
04‐7157‐6251



東葛病院・付属診療所の医療活動



ぶらり・とうかつ(143)

目潰しの鴨――民話の寺

新潟中越沖地震で倒壊した建物
東福寺(流山市鰭ヶ崎)

 その名は東福寺(流山市鰭ヶ崎)。宮園の交差点(信号)から南流山駅に向かって坂を上り詰めた左側。唐から帰った弘法大師が創建した真言宗の寺で、弘仁元年(810年)とあるから、諏訪神社と同時代の建立である。由来によれば平将門(たいらのまさかど)の征伐を命じられた藤原秀郷が出発にあたって、この寺に戦勝祈願をしたとある。当時将門は関東一円を制覇し、自らを新皇と名乗り、飛ぶ鳥を落とす勢い。中央政府との最後の戦いは「承平・天慶の乱」と呼ばれ、将門は流れ矢にあたって戦死する。今から730年前の話である。この勝利を喜ばれた天皇は、秀郷を今の東京・埼玉と神奈川の一部の国主とし、東福寺の金堂を修復した。(その後焼失)
 さて、語り伝えられている民話。鰭ヶ崎の田圃も収穫期となり、今年の稲の刈り取り寸前に鴨の大群に襲われ、稲穂が食い荒らされた。村人が一晩中見張りをしたその夜中に大群を発見。群れを率いた親分格の一羽をやっつけようと追いかけたところ、東福寺の山門に逃げ込んだ。よく見ると山門に彫られた鴨(左甚五郎作と伝えられている)が泥にまみれていた。
 出てきた和尚は「村人を困らせてはならない」と、鴨の目に五寸釘を打ち込んだ。盲目になった鴨は文字通り「鳴かず飛ばず」となり、村人はこの鴨を「目潰しの鴨」と呼ぶようになった。
 この山門と鴨の彫刻は今も健在である。だれから発祥したものか、民話らしい民話である。東福寺の打ち鳴らす百八つの煩悩を払う除夜の鐘は、遠く松戸まで聞こえたはずである。(田)




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