東葛病院の医療 呼吸器科
原因不明の間質性肺炎について
中高年に多いが、稀な病気
―呼吸器の専門医で診療を
一般に肺炎というと「カゼをこじらせて肺炎になった」というように使われます。カゼはウイルスによって起こり、肺炎は細菌などが気道に入り込んで発病します。これら普通の肺炎とこれからお話する間質性肺炎とは、肺炎という言葉は同じですが、炎症が起きる場所や症状、経過が全く異なり別な病気です。今回、この聞き慣れない「間質性肺炎」についてご説明します。 副院長(呼吸器科)川村光夫
どうしてできますか?
肺の基本的な仕組みは、「肺胞」という空気の入った小さな風船がいくつも集まったもので、柔らかい風船のゴムにあたる部分を「間質」と呼んでいます。
この部分に炎症が起きて壊れるとその後治っても筋ばった硬い組織になります。これがさらに進むと、肺全体が硬くなって「肺線維症」と呼ばれる状態になります。
主に、50歳以上の中高年に多いものの喘息などと比べると稀な病気です。喫煙に関連して起こるものは男性に多く、膠原病に伴って起きる場合は女性に多くみられます。リウマチの薬などでも起こり「薬剤性の間質性肺炎」と呼ばれます。
また、粉塵を吸入して起こる「じん肺」でも起きます。しかし、原因をいくら探ってもわからない間質性肺炎があり、これを「特発性の間質性肺炎」と呼んで、難病申請の対象になります。
どのような症状がでますか?
一般には、たんを伴わないコンコンといった咳がでたり、肺が酸素をとり込めなくなるので、動くと息が切れるようになります。
指の先の丸く膨らんで、太鼓のばちのような「ばち状指」がみられることもあります。
胸のレントゲンでは、肺の下半分が曇りガラスで被われたようになり、CTといった輪切りの写真では、主に背中側の肺が白っぽくなり、進行すると蜂の巣のようなって「蜂巣肺」と呼ばれます。このようになれば画像上の診断はさほど困難ではありません。
どんな検査が必要ですか?
間質性肺炎が疑われた時は、肺機能検査を行い肺活量が減っていないか、血液中の酸素が減っていないかどうかを調べます。
経過が早く治療が必要な方には、入院して気管支鏡検査などが必要ですが、さほど変化がなくかつ高齢の方は、外来でそのまま経過をみます。
時に、肺がんを合併することもあるので、定期的に観察して、変化がないかどうかチェックが必要です。ですから、勝手に通院を中断してはいけません。
その後の経過は?
進行が比較的早く息切れが強い場合は、ステロイドや免疫を抑えるお薬を投与したり、在宅での酸素吸入や肺のリハビリなどを行います。
一番気をつけなければいけないことは、ちょっとしたカゼや疲れから、急に悪化することがあり「急性増悪」といわれます。その場合、次の外来を待たずに早急に受診して治療を受ける必要があります。
以上、「間質性肺炎」という肺の病気についてご説明しました。
治療方針、経過が普通の肺炎とはまったく違うことから、呼吸器の専門医に診てもらうことをお勧めします。

▲進行した状態(左)と正常な状態の肺(右)のCT画像

▲肺がんを併発した70代、女性の間質肺炎
|